文化財は、長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日の世代に守り伝えられてきた貴重な国民の財産です。これは、歴史、伝統、文化などの理解に欠くことのできないものであると同時に、将来の文化の向上発展の基礎をなすもので、その適切な保存・活用を図ることが極めて重要です。
市にある文化財は、国の指定によるものが2件、県の指定によるものが10件、市の指定によるものが71件です。その他、国の登録有形文化財が39件、国の記録選択無形文化財(広域)が1件あります。
市内にある指定文化財一覧
盛美園(国名勝)
この庭園は清藤家第24代盛美が大石武学流4代宗匠小幡亭樹を招き、明治35年(1902年)から9年の歳月をかけてつくったものです。面積は約11,500平方メートル、盛美館の北側に南北に長く設けられ、観賞式と廻遊式を兼ねた池泉庭ですが、梵珠山を望む借景の庭でもあります。左手奥の築山に組まれた枯滝石組は豪華な桃山風を偲ばせるものと定評があるほか、庭中随所に組まれた石組と刈込樹が演出する庭趣は、大石武学流池泉式庭園の代表作として高く評価されています。
菩薩坐像(県重宝)
美濃国の僧、円空の作。背面には「奉寄進観音一仏 貴峯山月峯住寺六世 的心益伝代 津軽沖館村 干時寛文拾庚戌(注)季 三月十七日」とあり、台座裏には梵字を墨書しています。1本の素木から作造したもので、津軽地方で見られる円空仏と様式的にもほぼ同時期のものです。
(注)1670年
土偶(平川市文化財)
土偶(どぐう)はひとがたをした土で出来た焼き物で、縄文時代を代表する出土品です。東日本を中心に北海道から九州まで広く分布し、年代や地域によって形状や表情に特色があります。この土偶は唐竹地区堀合遺跡から出土したものです。個人によって偶然発見され、その後昭和48年に教育委員会に寄贈されました。丸い目と口の表情、自立し両腕を拡げ、胸を張っているようにもみえる造形をしています。