我が国では、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス感染による肝炎患者が多く、国内最大の感染症であるといわれており、喫緊の課題となっています。
また、青森県は、肝臓がんによる死亡、肝炎・肝硬変などの肝疾患による死亡が全国に比べて多いことが明らかとなっています。
肝炎について
肝炎はどのような病気であるかについて説明します。
肝臓について
肝臓は、体の中でもっとも重い臓器といわれており、主に3つの働きがあります。
(1)貯蔵:体に必要なたんぱく質の合成や栄養の貯蔵
(2)解毒:アルコールなどの体にとって有害な物質の分解・排泄
(3)胆汁を作る:食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌
このように肝臓は重要な役割を担っており、生命活動に欠かせません。そのため、少しの障害では働きが落ちないよう、「再生能力が高い」という特徴があります。その結果、肝臓の病気は熱や痛みの症状がなく、ほとんど気がつかないまま進行するため、「沈黙の臓器」と呼ばれるようになりました。
肝炎について
肝炎とは、何らかの原因により肝臓に炎症が生じ、細胞が破壊され、肝臓の機能が次第に低下していく病気です。
何らかの原因とは、ウイルス性、アルコール性、自己免疫性等があります。その中でも、肝炎の原因としてもっとも多いものは、「ウイルス性肝炎」と言われています。
ウイルス性肝炎について
ウイルス性肝炎とは何か、検査方法などについて説明します。
ウイルス性肝炎について
ウイルス性肝炎にはA・B・C・D・E型があり、特に慢性化しやすいとされているのは、B型とC型ウイルスによるものです。
肝炎は治療せずに放置すると、肝硬変や肝がんなどに移行する可能性があるため、早期発見・早期治療が大切です。
<ウイルス性肝炎の進行の流れ>
肝炎ウイルスに感染→慢性肝炎→肝硬変→肝がん
※慢性肝炎、肝硬変をきちんと治療することで、肝がんの予防につながります。
特に、以下の1から7に該当される方は、一般の方より肝炎ウイルスの感染が高いといわれてますので、検査をお勧めします。
1.1992年(平成4年)以前に輸血を受けたことがある方
2.長期に血液透析を受けている方
3.非加熱凝固因子製剤や1994年(平成6年)以前に、フィブリノゲン製剤(フィブリン糊としての使用を含む)の投与を受けたことがある方
4.大きな手術を受けたことがある方
5.臓器移植を受けたことのある方
6.過去に肝機能障害を指摘されたことがあり、その後、肝炎の検査を実施していない方
7.その他(薬物乱用者、タトゥーをしている方、ボディピアスを施している方)等
感染経路
<B型肝炎>
B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液に接触することで感染します。主に2つのルートがあります。
(1)母子感染:妊娠中、出生時に母親の血液から感染(1986年以降に生まれた方は、感染予防措置が取られています。)
(2)思春期以降の感染:性交渉、不衛生なピアスの穴あけ、タトゥー、違法薬物の注射器の使いまわし、歯ブラシやかみそりの共有など
<C型肝炎>
C型肝炎も、C型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液に接触することで感染します。最近では、不衛生なピアスの穴あけ、違法薬物による注射器の使いまわし、タトゥー、カミソリなどの共有などで感染することが増えてきています。
検査(B型肝炎・C型肝炎ウイルス検査)
B型肝炎、C型肝炎の感染は、血液検査で分かります。
平川市では、年度末年齢が40歳の方から満74歳までの方を対象として、集団検診、個別検診(平川診療所・碇ヶ関診療所)にて無料で実施しています。
過去に一度も検査を受けたことがない方は、ぜひ検査してみてはいかがですか?
※これまでに検査を受けられた方は対象となりませんので、ご了承ください。
感染していない(陰性)と判定されたら
感染していなかった方は、今後も感染することがないように、感染対策を行いましょう。
感染している(陽性)と判定されたら
まずは、医療機関を受診し、治療が必要がどうかの精密検査を行います。
検査費用の助成制度がありますので、ご活用ください。
初回精密検査のチラシ(252KB)
また、症状の程度にもよりますが、肝炎は年1-2回の定期検査が必要です。
定期検査の助成制度もあります。
※こちらは、市町村民税が非課税世帯、または、235,000円未満の世帯に限ります。詳細はチラシをご覧ください。
定期検査助成制度のチラシ(453KB)
治療が必要と言われた方は・・・
検査にて治療が必要と判断された場合も、治療費の助成制度があります。詳細はチラシをご覧ください。
治療費助成制度のチラシ(394KB)
※こちらの窓口は弘前保健所です。
お問合せ:33-8521(弘前保健所)