○平川市生活困窮者自立相談支援事業実施要綱
平成27年3月31日
告示第43号
(趣旨)
第1条 この告示は、生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号。以下「法」という。)に基づき、平川市(以下「市」という。)の生活困窮者自立相談支援事業の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。
(実施主体)
第2条 実施主体は市とする。ただし、事業を適切、公正、中立かつ効率的に実施することができる者であって、社会福祉法人、一般社団法人又は特定非営利活動法人その他市が適当と認める民間団体に、市が直接行うこととされている事務を除き、事業の全部又は一部を委託して実施することができる。
(自立相談支援機関)
第3条 生活困窮者自立相談支援事業を行う機関(以下「自立相談支援機関」という。)の位置は、平川市柏木町藤山16番地1 平川市役所第2庁舎内とする。
2 自立相談支援機関は、次に掲げる日(以下「閉庁日」という。)以外の日に開庁する。
(1) 日曜日及び土曜日
(2) 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
(3) 12月29日から翌年の1月3日までの日(前号に掲げる日を除く。)
3 自立相談支援機関の開庁時間は、午前8時15分から午後5時までとする。
4 前2項の規定にかかわらず、自立相談支援機関は、特に必要があると認めるときは、市長の承認を受けて、閉庁日に開庁し、又は開庁時間を繰り上げ、若しくは延長することができる。
(1) 主任相談支援員 1人
(2) 相談支援員 1人
(3) 就労支援員 1人
2 自立相談支援事業を行う者は、自立相談支援事業に係る業務を効果的に行うため、前項の職員のほか必要な職員を置き、又は前号の職員を増員させることができる。
(自立相談支援機関の事業)
第5条 自立相談支援機関は、おおむね次の事業を行う。
(1) 包括的・継続的な相談支援体制の構築
ア 生活困窮者に対して広く相談を行うとともに、生活困窮者が抱える課題を包括的に受け止め、その者の置かれている状況及び本人の意思を十分に確認した(以下「アセスメント」という。)上でプランを策定すること。
イ 必要な支援を総合調整し、それぞれの支援の開始後においても、それらの効果を評価し、及び確認しながら、本人の自立までを包括的・継続的に支えていくこと。
(2) 関係機関のネットワークづくり及び社会資源の開発 複合的な問題を抱える生活困窮者を早期に把握し、地域における見守り体制の構築、関係機関のネットワークづくり、社会資源の開発等を行うこと。
(1) 主任相談支援員 自立相談支援機関における相談事業全般のマネジメント及び他の支援員の指導・育成を行い、並びに支援困難ケースへの対応など高度な相談支援を行うとともに、社会資源の開拓、連携等を行う。
(2) 相談支援員 生活困窮者へのアセスメント及び自立支援計画(法第2条第2項第3号の計画をいう。以下「プラン」という。)の作成を行い、並びに様々な社会資源を活用しながらプランに基づく包括的な相談支援を実施するとともに、相談記録の管理、訪問支援等のアウトリーチを行う。
(3) 就労支援員 生活困窮者へのアセスメントの結果を踏まえ、就労支援に関する様々な社会資源を活用しながら、その者の状況に応じた能力開発、就職支援等を自ら行うとともに、公共職業安定所、協力企業等と連携を図りつつ、生活困窮者への就労支援を行う。
2 支援員は、次の要件を備えた者であることとする。
(1) 主任相談支援員 厚生労働省が実施する自立相談支援事業従事者養成研修(以下「養成研修」という。)における主任相談支援員養成研修を受講した者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 社会福祉士、精神保健福祉士、保健師として保健、医療、福祉、就労、教育等の分野における業務に5年以上従事している者であり、かつ、生活困窮者への相談支援業務その他の相談支援業務に3年以上従事しているもの
イ 生活困窮者への相談支援業務その他の相談支援業務に5年以上従事しているもの
ウ 相談支援業務に準ずる業務として市長が認めた業務に5年以上従事しているもの
(2) 相談支援員 養成研修における相談支援員養成研修を受講した者で、各種支援制度の実務に関する知見を有し、相談者のニーズや状況に応じた支援を行うことができるもの
(3) 就労支援員 養成研修における就労支援員養成研修を受講した者で、各種支援制度及び就労支援の実務に関する知見を有し、相談者のニーズや状況に応じた支援を行うことができるもの
(相談支援の手順)
第7条 生活困窮者に対する相談支援は、次の手順で実施する。
(1) 生活困窮者の把握及び相談受付
ア 生活困窮者の複合的な課題に包括的・一元的に対応する窓口を設置し、来所による相談を受け付ける。また、生活困窮者の中には社会的に孤立している場合も多いことから、待ちの姿勢ではなく訪問支援を含めた対応を図る。この場合について、まずは、地域や関係機関のネットワーク強化による把握に努め、加えて、必要に応じて訪問や声かけなどにより、生活困窮者の把握を行う。
イ 相談受付の際は、相談者の課題を的確に把握し(以下「スクリーニング」という。)、自立相談支援機関による支援によるか、又は他制度の相談窓口等へつなぐのが適当かを判断する。
ウ スクリーニングの結果、他制度の相談窓口等へつなぐことが適当と判断された者には、その人の状況に応じて適切に他機関へとつなぐ。必要に応じて他機関への確認、フォローアップを行う。(いわゆる「相談のたらい回し」とならないよう留意する。)
エ 生活保護を要すると考えられるとき又は生活保護の申請の意思が示されたときは、確実に福祉事務所につなぐ。
(2) アセスメントとプランの策定
ア スクリーニングの結果、自立相談支援機関による支援が妥当と判断されるケースについては、本人から自立相談支援の利用申込を受け、今後、関係機関と本人に関する情報共有することを含めて本人の同意を得る。その上で、改めて生活状況や課題を把握し、本人の意思を十分に勘案した上でプラン(案)を作成する。
イ 緊急的な支援の提供 相談受付時の本人の訴えや状況から、緊急に生活上の支援が必要であるか否かを把握し、必要に応じ医療や食事、住居等に係る支援を緊急に行う。住居確保給付金の支給が必要であると認められるときは、本人から法定サービスの利用の申込みを受けて、その利用を主管課に依頼する。主管課は、利用申込を受け付け次第、本人の訴えや状況を支援員から聞き取り、法定サービスの利用要件を確認し、迅速に利用の手続きを行う。
ウ アセスメントに当たって、本人の意思が明確でない場合については、本人から短期間に得られる情報のみによることなく、本人と信頼関係を構築することが重要であり、このような信頼関係の中で自立への動機付けを図る。
(ア) 自立相談支援機関の相談支援員による就労支援(就労意欲の喚起、履歴書の書き方や面接の受け方指導、公共職業安定所や青森県が独自で実施している職業紹介事業への同行訪問などの支援)
(イ) 住居確保給付金の支給
(ウ) 生活福祉資金貸付事業
(エ) 公共職業安定所が実施する生活保護受給者等就労自立促進事業
(オ) 上記のほか、様々な公的事業による支援及び民生委員による見守り活動等のインフォーマルによる支援
オ プラン(案)を検討するため、自立相談支援機関が中心となって、主管課、関係課、社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会等の関係機関の担当者が参加し支援内容を調整する会議(以下「支援調整会議」という。)を設置し、プラン(案)が適切なものであるか確認を行う。
カ 支援調整会議においては、支援内容の確認のほか、支援に当たっての関係機関の役割についての調整を行う。
キ 市長は、支援調整会議において了承されたプランについて、提供される法定サービス及びその内容が適切か否か判断し、支援決定を行う。
ク 自立相談支援機関は、支援決定を受けたプランに基づき、具体的な支援サービスの提供等を行う。
(3) 支援の実施、評価
ア 自立相談支援機関は、プランに基づき、相談支援員又は就労支援員により自らが支援を実施するほか、本人がサービス提供事業者等の支援機関から適切な支援を受けられるよう支援機関との間、又は支援機関相互間における連携、調整を行う。また、本人が地域で自立した生活を送ることができるよう、地域のフォーマルサービス、インフォーマルサポートに働きかける。
イ 支援機関による支援が始まった後も支援機関との連携・調整を行い、必要に応じ本人の状態等を随時把握する。
ウ 自立相談支援機関は、本人がプランどおりに行動しているか、支援サービスが適切に提供されているか、本人が目標に向けて変化しているか、定期的又は随時に確認する(以下「モニタリング」という。)。モニタリングにより、プランの修正(軽微な変更)及び打切り(支援の途中で連絡がとれず、又は支援が拒否されるとき)をする場合がある。
エ 自立相談支援機関は、プラン策定時に期限を決め、その時期が到来したとき、又は期限の前に本人の状況に大きな変化(法定サービスの支援内容の変更等)があったときは、プランの評価をする。
オ 評価の結果、支援の終結と判断された場合は、他機関へつなぐこと、及び地域の見守り等の必要性を検討し、必要に応じフォローアップを行う。
カ 評価の結果、本人の状況が変化し、法定サービス利用の終了又は新規に利用を始める等プランの大幅な変更及び修正の必要があると判断される場合には、改めて包括的なアセスメントを行った上、プランを策定する(再プランの策定)。
(4) 支援の終結
ア 自立相談支援機関は、次の場合に支援を終結するものとする。
(ア) 困窮状態が解決し、目標としていた自立達成の目途が立った場合
(イ) 困窮状態の脱却にまでは至っていないが、大きな問題が解消され、自立相談支援機関による関わりが不要となったと判断される場合(この場合は特に支援調整会議で議論し、判断する。)
(ウ) 連絡が途絶した場合等
イ 自立相談支援機関は、支援を終結しようとするときは、本人に意向を確認した上支援調整会議に報告し、終結の評価を求めるものとする。支援調整会議は、アの(ア)から(ウ)までのいずれかに該当することを確認した上で支援の終結を決定する。
(支援調整会議)
第8条 支援調整会議は、次の事項を主な目的として開催するものとする。
(1) プランの内容が適当なものであるか合議体により判断すること。
(2) 参加者が個々のプランに関する支援方針、支援内容、役割分担等について、共通認識を醸成し、個々のプランを了承すること。
(3) プラン終結時において評価を行うこと。
(4) 不足する社会資源について、地域の課題として認識し、検討すること。
2 支援調整会議は、必要に応じて開催するものとする。
3 支援調整会議の出席ための報償費、費用弁償は支出しない。
4 支援調整機関の設置、運営に関し必要な事項は、別に定める。
(支援決定)
第9条 市長は、住居確保給付金の支給を行うときは、支援決定を行わなければならない。
(プランの評価)
第10条 自立相談支援機関は、プラン策定時にその期限を決め、期限が到来したとき、又は期限の前に本人の状況に大きな変化(法定サービスの支援内容の変更等)があったときは、次の手法によりプランを評価する。
(1) 本人の行動又はサービスの提供状況等を確認し、目標達成に向かっているか等を把握し、評価する。目標が達成された要因及び達成されていない要因が把握できるよう、目標達成の確認、本人の行動の確認、サービス内容や事業所の評価、目標の評価、期間の評価、自尊心・自己有用感の回復、満足度、新たな課題の視点等から評価することとする。
(2) 一定のモニタリングを経て、再プランを策定する場合及び支援を終結する場合においては、まず目標が達成さているかどうかを確認し、プランを評価する。
(3) プラン評価の結果は、支援調整会議に提出し、協議する。
(関係機関のネットワークづくり及び社会資源の開発)
第11条 生活困窮者の自立に向け、包括的な支援が提供されるよう、自立相談支援機関が主体的に取り組み、支援調整会議その他の既存の合議体も活用して協議の場を設ける。
2 効率的かつ効果的に生活困窮者を早期に把握し、支援を行うためには、関係機関との連携が重要であり、このためのネットワークづくりを一層進め、その活用を図る必要がある。そして、自立相談支援機関が自ら又は協議の場、関係機関とのネットワークを通じ、生活困窮者の支援に関する社会資源の開発を行う。
(帳票等)
第12条 自立相談支援を行うに当たっては、厚生労働省が配布する自立相談支援機関標準様式ソフトウェアを使用することとし、利用者ごとに支援台帳を作成するものとする。
(その他)
第13条 この告示に定めるもののほか自立相談支援事業の実施方法については、厚生労働省が示す自立相談支援事業に関する手引きに定めるところによるものとする。
2 この告示に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この告示は、平成27年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 平成27年4月1日における支援員の要件については、第6条第2項の規定中「受講した者」とあるのは、「受講した者又は受講する見込みである者」とする。
附則(令和5年8月7日告示第189号)
この告示は、令和5年11月6日から施行する。