○平川市議会基本条例
令和4年9月21日
条例第24号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)
第3章 市民と議会との関係(第6条―第11条)
第4章 議会と行政との関係(第12条―第15条)
第5章 議会の機能の充実(第16条―第22条)
第6章 議会の体制整備(第23条―第26条)
第7章 議員の政治倫理、定数及び待遇(第27条―第29条)
第8章 危機管理(第30条)
第9章 最高規範性及び見直し手続等(第31条―第33条)
附則
私たち、平川市民から選ばれた議員により構成される平川市議会には、同じく選ばれた平川市長とともに、議会は合議制の機関として、市長は独任制の機関としてそれぞれ異なる特性を生かし、ときに競い合い、ときに協力し合いながら、市民の福祉の向上と市勢の持続的な発展という共通の使命が課せられている。
その使命を果たすため、議会は、市民からの多様な意見を的確に把握し、その声を市政に反映させなければならない。そのためには、議員一人ひとりが資質の向上に努め、議会活動と議決権の重要性を認識しながら議員間討議を進めるとともに、自らの総意と工夫による市民との協調の下、よりよい平川市のまちづくりの推進を目指して、行政の監視や政策の提言等をしていく必要がある。
このため、議会は市民の意思を代弁する合議制の機関として、公平性、公正性、透明性及び高い倫理性を確立させ、市民に開かれた信頼される議会、市民とともに歩む議会を目指して、全議員の総意により、ここに平川市議会基本条例を定める。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、議会及び議員に係る基本的事項を定め、市民の負託に応え、市民の福祉の向上と市勢の持続的な発展に寄与し、安心して住み続けられるまちづくりを実現することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 市民に信頼される議会運営を行うため、公正性と公平性を確保すること。
(2) 市民に対して分かりやすく開かれた議会運営を行うため、市民参加の機会拡充と情報の公開及び発信すること。
(3) 市長及びその他の執行機関(以下「市長等」という。)に対して、適切な運営がなされているか監視し、批判すること。
(4) 市民の多様な意見を的確に把握し市政へ反映するため、議員間の自由かっ達な討議による合意形成と政策提言及び政策立案等並びにその機能強化に努めること。
(5) 災害時等においても議会機能を停止せず、危機を最小に留めるため平時より危機管理及び業務継続体制の整備と強化に努めること。
(6) 議会における平川市議会会議規則(平成18年平川市議会規則第1号)等は、継続的に精査・検証し、適宜見直すことにより不断の議会改革を実現すること。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、市民の負託に応えるため高い倫理観を持ち、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が合議制の機関であることを認識し、総合的な視点に立って、議員相互の自由な討議を尊重すること。
(2) 不断の研さんに努め、政策立案及び政策提言等に必要な調査、研究に努めること。
(3) 市民の代表として公正かつ誠実に職務を遂行すること。
(4) 市政の課題についての市民の多様な意見を的確に把握し、市民の福祉向上に努めること。
(5) 自らの議員活動では、常に透明性及び公平性を保持し、市民に対しての説明責任を果たすこと。
(議長及び副議長)
第4条 議長は、議会の代表として議会の品位を保持し、また中立かつ公正な職務の執行に努めるとともに、民主的な議論が行われるよう議会運営を果たすものとする。
2 前項の規定は、副議長が議長の職務を行う場合に準用する。
3 議会は、議長及び副議長の選出にあたり、公平性、公正性及び透明性の確保に努めるとともに、その選挙について必要な事項を別に定めるものとする。
(会派)
第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動する。
3 会派について必要な事項は、平川市議会運営申し合わせ事項等で定めるものとする。
第3章 市民と議会との関係
(会議の公開)
第6条 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)並びに全員協議会の会議を原則として公開しなければならない。
(情報の公開)
第7条 議会は、議会活動に関する情報を、市民に対し積極的に公開し、説明責任を十分に果たさなければならない。
(議案に対する賛否の公表)
第8条 議会は、議案、請願及び陳情に対する議員の賛否を市民に公表しなければならない。
(意見交換会等の開催)
第9条 議会は、市政全般にわたる動向を市民に伝え、意見交換を行い、政策提案の拡大を図るため、必要に応じて意見交換会等を開催するものとする。
(公聴会制度及び参考人制度の活用)
第10条 議会は、市民等の意見及び知見を議会の審議に反映させるため、必要に応じて公聴会制度並びに参考人制度を活用することができる。
(請願及び陳情に対する説明機会の確保)
第11条 議会は、請願及び陳情を市民等からの政策提案と位置付け、委員会は、誠実かつ適切に審査しなければならない。
2 議会は、請願及び陳情の審議においては、必要に応じて提出者の意見を聴く機会を設けることができる。
第4章 議会と行政との関係
(議会と市長等の関係)
第12条 議会は、市長等と独立・対等な立場で、緊張関係を保持しながら、事務の執行を監視し、その批判を行うとともに、政策立案及び政策提言を通じて市政の発展に取り組まなければならない。
2 議員は、本会議及び委員会等において質問又は質疑(以下「質問等」という。)を行うに当たっては、当該質問等の論点を明確にして行うものとする。
3 本会議における議員の質問等は、市政の諸課題に対する論点及び争点を明らかにするため、一問一答の方法又は一括質問一括答弁の方法のいずれかの方法によって行うことができる。
4 市長等は、議長又は委員長の許可を得て、質問の趣旨又は内容確認のため、議員の質問等に対し、反問することができる。
(議会への重要な政策等の説明とその監視及び評価)
第13条 議会は、市長が提案する政策、計画、施策、事業等(以下「重要な政策等」という。)について、議会審議における論点を整理し、その重要な政策等の水準を高めるため、市長に対し、次の各号に掲げる事項の説明及び資料の提供を行うよう求めるものとする。
(1) 重要な政策等を必要とする背景と経緯
(2) 検討した他の政策等の内容
(3) 関係法令及び条例等
(4) 総合計画との整合性
(5) 重要な政策等の実施に係る財源措置
(6) 将来における効果及び費用
(7) 市民参加の実施の有無及びその内容
2 議会は、重要な政策等における市長等の事務の執行を監視するとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めなければならない。
(予算及び決算における説明)
第14条 議会は、予算及び決算の審議に当たり、前条の規定に準じて、市長等に対し、分かりやすい説明及び資料の提供を行うよう求めるものとする。
(政策の立案及び提言)
第15条 議会は、市の政策水準の向上を図るため、政策立案機能の強化に努め、条例の提案、議案の修正、決議等の政策提案を行うとともに、市長等に対し、政策提言を行うよう努めなければならない。
2 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条の2に規定する学識経験を有する者等による専門的事項に係る調査を積極的に行うよう努めるものとする。
第5章 議会の機能の充実
(議会運営)
第16条 議会は、議会活動の公平性、公正性及び透明性を確保し、円滑かつ効果的な議会運営に努めなければならない。
(議員間の討議及び合意形成)
第17条 議会は、言論の府であることを認識し、議員相互の自由な討議を中心に運営しなければならない。
2 議会は、議案、請願及び陳情に関して審議し結論を出す際は、議員相互の討議を尽くした上で合意形成に努めるものとする。
(委員会活動)
第18条 委員会は、市政の諸課題について適正に判断し、委員会の専門性及び特性を生かした適切な運営に努めるものとする。
2 委員会は、委員会の所管に係る市政の諸課題について議案等の審査をし、所管事務の調査の充実を図り、積極的な政策の立案及び提言に努めなければならない。
3 委員会は、審査等に対しては、市民に分かりやすい議論を行うように努めなければならない。
(予算の確保)
第19条 議会は、円滑な議会運営を確立するため、必要な予算の確保に努めなければならない。
(議員研修の充実と強化)
第20条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実と強化に努めなければならない。
2 議会は、市政課題を的確に捉えるため、他の地方公共団体の事例等を調査研究する機会を設けるよう努めなければならない。
(政務活動費)
第21条 会派又は議員は、政策立案能力の向上、議会の活性化等を図るため、政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究することができる。
2 会派又は議員は、政務活動費を適正に執行するとともに、その使途の透明化を図るため、これを公表しなければならない。
3 政務活動費に関しては、別に条例で定めるものとする。
(情報通信技術の活用)
第22条 議会は、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、情報通信技術の積極的な活用を図るものとする。
第6章 議会の体制整備
(議会事務局)
第23条 議会は、議会の円滑な運営と議員の資質向上及び議員活動を補助するため、議会事務局の機能の強化に努めるものとする。
(議会図書等の充実)
第24条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の図書の充実に努めるものとする。
(議会広報の充実と強化)
第25条 議会は、広報誌等の多様な広報手段を活用し、多くの市民が議会及び市政に対し関心を高めるための体制整備及び広報活動の充実と強化に努めなければならない。
(議会改革の推進)
第26条 議会は、その権能を高め、議会活動の推進を図るため、継続的な議会改革に取り組まなければならない。
第7章 議員の政治倫理、定数及び待遇
(議員の政治倫理)
第27条 議員は、市民全体の代表者として、高い倫理性を常に自覚し、良識と責任感を持って、議員の品格保持に努めなければならない。
2 議員の政治倫理に関しては、別に条例で定めるものとする。
(議員定数)
第28条 議員定数は、平川市議会議員定数条例(平成28年平川市条例第26号)で定めるものとする。
2 議員の定数を改めようとするときは、本条例に規定した議会としての機能を十分に発揮できることを基本とし、市政の現状及び課題並びに将来展望を考慮するものとする。
(議員報酬)
第29条 議員報酬は、平川市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例(平成18年平川市条例第46号)で定めるものとする。
第8章 危機管理
(危機管理及び業務継続体制の整備と強化)
第30条 議会は、災害等の不測の事態から市民の生命、身体及び財産を守るとともに、緊急時において総合的かつ機能的に活動できるよう、市長等と協力し危機管理及び業務継続体制の整備と強化に努めなければならない。
2 危機管理及び業務継続体制の整備と強化に関しては、別に定めるものとする。
第9章 最高規範性及び見直し手続等
(最高規範性)
第31条 この条例は、議会における最高規範であり、議会に関するその他の条例、規則等は、この条例の趣旨と整合が図られなければならない。
(議会及び議員の責務)
第32条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則に基づいて制定される条例、規則等を遵守して議会を運営し、市民を代表する合議制の機関としての責務を果たさなければならない。
2 議会は、一般選挙を経た任期開始後速やかに、議員にこの条例の理念や原則及び規定内容の確認を行う機会を設けるものとする。
(検証及び見直し手続)
第33条 議会は、この条例の目的が達成されているかを議会運営委員会において検証し、必要に応じてこの条例の改正を含めて適切な措置を講じなければならない。
附則
この条例は、令和4年10月1日から施行する。